2007年6月5日火曜日

馬蹄士の話



すぐ近所にあるOlympic Clubは、お隣芝山町にも大きな施設を持つ乗馬クラブで、乗馬用サラブレッドを350頭ぐらい保有する大きなクラブです。
土日には東京からもバスで大勢の会員が乗馬にやってくるのです。この乗馬クラブのトレーニングファームで孫のトモちゃんにお馬さんを見せています。
たまたま厩舎をのぞいたら、蹄士さんが蹄鉄とりかえの仕事をしていて、仕事をしながらいろいろ話をしてくれました。
流石仕事は手際よく、馬の足を抱えるようにして古い蹄鉄をはずし、ひづめを特殊な鎌で削ったり、ヤスリをかけたりしながら新しい蹄鉄を手際よくひづめに合わせて900度のガスの炎で熱しながら形を調整し、鋭い釘を6本打って蹄鉄を留めていました。
この馬蹄士さんは神奈川からやってきて朝7時半から夕方までに9頭の馬蹄を交換したそうです。一頭当りの作業時間は約1時間で費用は一頭12500円、競馬場での競走馬だと一頭3万円からだそうです。
乗馬用は一ヶ月に一度、競走馬は2週間に一度の頻度で蹄鉄をとりかえ、蹄鉄も競走馬用は素材がアルミで重さも半分以下でした。(写真右が競走馬用アルミ蹄鉄)
このクラブの年間の馬蹄費用を計算してみたら、一頭12500円*12回*350頭=52、500、000
驚きです!
馬蹄士になるには4、5年親方の下での修行が必要で、地味な仕事でもあり馬蹄士は少ないので先月も1日しか休んでないし、今年で現在の会社を退職して自立して馬蹄士の仕事をする計画です...と話してくれたのです。
まったく知らない世界の仕事なので話も興味深く、又その仕事の手際よさ、蹄鉄を交換される馬がおとなしく足を預けて交換してもらっている姿もとても印象的でした。
話のお礼を言っての別れ際に、新しい蹄鉄を一個お守りにとくれたのです。馬は自分から落馬した人を絶対に踏まないそうで、そのことから蹄鉄を車に載せていると人を轢かないお守になると言われているそうです。(追突防止のお守りだと思っていましたが違っていました)